What’s profession??
何人かの村人が力を合わせて試しに共同で農園を運営していく事になった。育てる野菜や果物は一緒に皆で考えて行く。そこで一人から提案が。
この農園にヨーロッパから取り寄せたリンゴを植えて育ててみない?
皆は多いに賛成した。ヨーロッパのリンゴはどんな味がするんだろうか?どんな色なんだろう?どんな食べ方ができるんだろう?本当にワクワクする!!
しかし彼は普段ヨーロッパとの間での果物の貿易を本業としている。それでご飯を食べているわけだ。だからこの農園で育てるリンゴも無償で持って来れるわけではないと。
それはそうだ。彼の人生を支える仕事に直結する話を「試しに共同で運営する農園」に無償で持って来れるわけがない。ではどうしようか。とは言え、確かに彼の進めてくれる果物は本当においしい。多くの仲間がそれは認めている。
一方ある一人が言う。
オレの仕事は普段不動産業で、そこでできた伝でこの農園の土地はなんとか知人にタダで譲ってもらったんだ。
すると続いてもう一人。
ここを耕す機材は僕がいつもお世話になっている重工業メーカーの人に無料で貸してもらっているんだよ。今までの仕事を通して僕が頑張ってた分の恩返しだって言ってくれてる。
まぁ確かに誰も言うことは嘘ではないだろう。しかし何か懸念点がある感じの話ばかりだ。その様な人達が集まって試しに農園をやってみようとしていると当然出てくる話題なのかもしれない。
どんな人間が、何をしたくて、どんな人生を歩みたくて、結果的に大人数が一つの方向に進むのだろう?みんながおいしい果物を食べられればそれで良いのだろうか?いや、それでいいのかもしれない。ではそれを実現するためにはどうすれば良いのだろうか?
この農園を作っていくにあたって極力統一しなければならない価値観の尺度と、権力の分散に注意を払わなければいけないのかもしれない。
おいしいリンゴを食べるだけなら案外簡単だ。ただ自分達の作り上げる農園で自分達の付加価値をつけながら育ててから食べるために、しっかりと農園のメンバーと話し合わなければならない。
本当に楽しい事をするのって難しいね。ってか難しいから楽しいのか。