1970年代の”音楽の密輸人”のDJプレイを目の前で体験して気づいた事
最近いろんなイベントに参加したり自分で主催をしてみて、良いイベント体験ってなんだろう?という事を考えている。答えはたぶん如何にそのコアメッセージの文脈(その付帯情報)までを体験し理解させるかなんじゃないかと改めて感じている。
2/19 HEAPSのメディア記事でその背景までをしっかりと見せるクラブイベント
いつも尖っていてかつニッチな、少し危ない臭いを醸し出す記事をリリースするメディアHEAPSが最近ちょーお気に入り。
ちなみにマジで頭蓋骨にアンテナを埋め込んだニールと出会えた本物のサイボーグと話して気づいた未来。にも書いたイベントの主催もここ。開催場所が南青山のINTERSECT BY LEXUSだった事からもそのセンスがわかると思う。
そして今回惹かれた連載がこれ。
「ベルリンの壁をすり抜けた“音楽密輸人”」 鋼鉄の東にブツ(パンク)を運んだ男、マーク・リーダーの回想録」
もうタイトルからしてヤバめ。「密輸人」と「ブツ(パンク)」という単語を使うのはずるい気もしつつ、結局そこに惹かれて中身を読み始めた。
さらにその「密輸人」が東京に来てDJイベントを開催するという情報も目にした瞬間になぜか行かないとダメな気になった。もうこの時点で見せ方がすごくうまいなーというかオレがターゲットペルソナなのかなーとか思いながら当日を待った。
HEAPSは記事にてスポットライトを当てる海外の登場人物を、メディアの読者とイベントでリアルに会わせるのですごく信頼ができる。ファンに「っぽい世界観を提供する」だけじゃなくて実際本物の人に会わせて会話、ってのがポイントかなと思っている。
平日の夜、2月19日にbonoboでそのイベントは開催された。渋谷駅からSpotifyで主役のMark Reederのセットを聞きながら30分ほどかけて一気に記事を読んだ。
Bonoboは初めていく場所だったのもあり、昔の密かに営業していたドイツのクラブイベントの話を読んだ後だったので日本ではない場所に来た気分がしたのもよかった。そこで入って数分したらMark Reederが登場し、自身でリミックスを手がけたLonlinessから始まる。
正直普段あまりジャンルとしては聞かないテクノだが、Markがかつてパンクを始め辿ってきた音楽感をイメージしながら聞くのがグッときた。少ししたら前回のサイボーグの会で出演していて出会ったビートボクサーの海里くんもいたりして楽しかった。
おそらくHEAPSの記事を読まずにふらっとイベントに入っただけだと、何も面白くなかったんじゃないかなと思う。東京に住んでいる普段の自分の世界感で入り込んだところで、ここでのコトの評価がそれ基準になり何も伝わらなかったはず。たまたまこの二週間前までドバイやモルディブにいたので多少は良い意味で頭がカオスだったが。
このイベント体験に向けたマインドセットの設計は今後ぜひとも参考にしたいなと思った。